統計学を哲学する
- 大塚淳著
- 2020年10月刊行
- 名古屋大学出版会, 名古屋, 248頁, 本体価格 3200 円
- ISBN: 978-4-8158-1003-0
版元ページ | amazon | honto | 紀伊國屋書店
概要
- 統計学は実験や臨床試験、社会調査だけでなく、ビッグデータ分析やAI開発でも不可欠である。ではなぜ統計は科学的な根拠になるのか? 帰納推論や因果推論の背後に存在する枠組みを浮き彫りにし、科学的認識論としてデータサイエンスを捉え直す。科学と哲学を架橋する待望の書。
- 本書序文の抜粋がAll Reviewsにてご覧いただけます。
書評
- 読売新聞書評欄(2020年12月6日)、評者:三中信宏氏
- 『経済セミナー』719号(2021年4・5月号)、評者:末石直也氏
目次
- 序 章 統計学を哲学する?
- 1 本書のねらい
- 2 本書の構成
- 第1章 現代統計学のパラダイム
- 1 記述統計
- 1-1 統計量
- 1-2 「思考の経済」としての記述統計
- 1-3 経験主義、実証主義と帰納の問題
- 2 推測統計
- 2-1 確率モデル
- 2-2 確率変数と確率分布
- 2-3 統計モデル
- 2-4 推測統計の世界観と「確率種」
- 1 記述統計
- 第2章 ベイズ統計
- 1 ベイズ統計の意味論
- 2 ベイズ推定
- 2-1 仮説の確証と反証
- 2-2 パラメータ推定
- 2-3 予測
- 3 ベイズ統計の哲学的側面
- 3-1 帰納論理としてのベイズ統計
- 3-2 内在主義的認識論としてのベイズ統計
- 3-3 ベイズ主義の認識論的問題
- 3-4 小括:ベイズ統計の認識論的含意
- 第3章 古典統計
- 1 頻度主義の意味論
- 2 検定の考え方
- 2-1 蓋然的仮説の反証
- 2-2 仮説検定の考え方
- 2-3 検定の構成
- 2-4 サンプルサイズ
- 3 古典統計の哲学的側面
- 3-1 帰納行動としての検定理論
- 3-2 外在主義認識論としての古典統計
- 3-3 頻度主義の認識論的問題
- 3-4 小括:ベイズ/頻度主義の対立を超えて
- 第4章 モデル選択と深層学習
- 1 最尤法とモデル適合
- 2 モデル選択
- 2-1 回帰モデルとモデル選択の動機
- 2-2 モデルの尤度と過適合
- 2-3 赤池情報量規準(AIC)
- 2-4 AICの哲学的含意
- 3 深層学習
- 3-1 多層ニューラルネットワークの構成
- 3-2 深層モデルの学習
- 4 深層学習の哲学的含意
- 4-1 プラグマティズム認識論としての統計学
- 4-2 機械学習と徳認識論
- 4-3 深層学習の哲学的含意
- 第5章 因果推論
- 1 規則説と回帰分析
- 2 反事実条件アプローチ
- 2-1 反事実条件説の意味論
- 2-2 反事実的因果の認識論
- 3 構造的因果モデル
- 3-1 因果グラフ
- 3-2 介入とバックドア基準
- 3-3 因果探索
- 4 統計的因果推論の哲学的含意
- 終 章 統計学の存在論・意味論・認識論
- 1 統計学の存在論
- 2 統計学の意味論
- 3 統計学の認識論
- 4 結びにかえて
- 参考文献
- あとがき
- 索 引
正誤表
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